避難交流
今回の震災で避難している人と、受け入れ地とで、様々な交流が起きています。栃木県足利市でその一例に触れました。
まちおこしをしている商店主達が、被災者を訪ねた際、新聞で作るエコバックの作り方を伝えました。何かしたいと思っていた被災者はセッセと作り始めました。
商店街では自立支援になるならと、これを売り始めました。福島の人と足利の人が、支え合い繋がっています。
足利市では店が何か一品、いいものを作り出す「一店逸品運動」をここ数年続けています。その延長で、昨年は空き店舗をみんなの活動拠点となる店にしました。
その「あしかが逸品堂」で、学びの体験としてこれまでも古新聞とスティック糊があれば出来る「新聞エコバック作り教室」などをしていました。
福島からの被災者に向けて、炊き出しや慰問などしている中で、避難しているだけで手持ち無沙汰の方々に何か役に立てばと新聞エコバックの作り方を教えた、ということがきっかけになりました。
名付けて「被災者支援・新聞紙エコバック販売プロジェクト」、今の避難所を離れてからも、作って送ってくだされば一袋300円で売り、全額をお渡ししますという仕組み。
今では、福島の新聞を取り寄せて作った、工夫に満ちた作品が出てきているとのことです。
一報、避難してきた人のなかに、イラストが得意の青年がいました。避難所でモクモクとイラストを描く彼の存在をボランティアの人が発見。「あしかが逸品堂」で、彼の作品展の開催となりました。
福島第一原発から20キロ圏内にある福島県楢葉町から避難しているイラストレーター・高橋啓介さん。彼は「お世話になっている足利の地に恩返し」と、足利市内の観光ポイントなどを彼独特のタッチで描き、作品としました。
その作品も自立支援のためにポストカードになり、「あしかが逸品堂」で売られています。
花の名所「足利フラワーパーク」には、5月にはすばらしい藤の花が咲き、観光客を呼びます。この藤の花にちなんだ作品には「上を向いて歩けるように。だからこの花が咲く。」とありました。
福島から避難してきた人々と、受け入れた足利の人たち、こんなことがなかったら出会うこともなかったでしょう。マイナスを少しでもプラスにするために、みんなが知恵と力を出しています。
この間のことは、「あしかが逸品堂ブログ」で詳しくわかります。
http://blog.ashikaga-ippin.com/
“