もんじゃストリート

ゆとりある記

東京・月島「もんじゃストリート」に行ってきました。‘もんじゃ’とは、ご存知のように小麦粉を薄く溶き、鉄板で焼きながらソース味で食べるお好み焼きの親戚のようなもの。

各地にありますが、駄菓子屋さんで子どもたちが食べていたおやつである歴史は共通でしょう。

月島はもともと東京湾の埋立地、そこの下町の庶民の味としてあった‘もんじゃ’に火がついて、ここ数年‘もんじゃと下町情緒のまち’で知られています。

駅を降りると下町情緒というわりには、目立つ高層マンション。その足元に、昔からの商店街が多少リニューアルして、‘もんじゃ屋’さんが集まったのか、急に出店したのか、とにかくズラリです。

正確には「西仲通り商店街」ここに約60軒もの‘もんじゃ’の店があるので「もんじゃストリート」の名があります。

右も左も‘もんじゃ屋’さん。視察の団体のようなおじさんたちが歩いていたり、マップ片手にどこに入ろうか悩んでいる若いカップルがいたり、おばさんグループも。修学旅行も受け入れているそうです。

もんじゃを食べる独特の小さなヘラは‘ハガシ’と呼ばれていて、お土産用にも売られていました。テフロン加工のフライパンで使う用の木製のハガシも。

‘もんじゃ’はハガシで鉄板に具材を押し付けて焦がして食べるのですが、同じ味のおせんべいもお土産用にありました。

さて、月島に行っても他の用で行ったので、‘もんじゃ’を食べるわけではありません。そのそも‘もんじゃ’を私はあまり好みません。ハガシでチマチマ食べるのが、どうも性ににあわないのかも。

となると、この「もんじゃストリート」は何なのか?と考えてしまいました。右も左も‘もんじゃ屋’さん、ソースの匂いと客引きの若者の姿。

往復ゆっくり歩いて、それなりに「こういう商店街の活性化手法もアリなのだろうな・・」とは思うのですが、この先もずっとこれでいいのだろうか?とも思います。

住んでいる人が、そうそう毎日‘もんじゃ’を食べるわけでもないでしょう。高層マンションに住む人たちは、このまちと接触があるのでしょうか。

ストリートの左右に展開する細い路地には昔からの小さな古いアパートが。この路地で植木鉢にアジサイを咲かせているおばあちゃんは、商店街が‘もんじゃ’の店ばかりで、日々の暮らしに不便しているのでは?

まちを、観光飲食テーマパーク化して、来訪者は増えたかも知れないけれど、今のこのまちの姿を住民はずっと愛し続けることができるのでしょうか。「活性化なんて、こんなもんじゃ」といわれればそれまでなのですが。

「もんじゃストリート」の真ん中に、大正時代にできて今なお健在の交番がありました。私には、この交番が一番印象に残りました。