スカイツリー

ゆとりある記

着々と成長し、その背丈を伸ばしている「東京スカイツリー」。その足元ではさまざまな人間模様があります。

ただ単にノッポのものができているだけなのに、妙に興奮したり騒いだりの‘黒船が来た’状態。かくいう私も、浅草でほんの30分の時間ができたので、どこだどこだと繰り出したのであります。

地下鉄の出口の地図でスカイツリーを探しても、途中で地図は切れて表示はありません。地上に上がって見つけた地図にもなし。

もはや人気のスポットなのに、公の地図にまだ表記はなし。出来上がってからでないと、地図に載せないということでしょうか。不便している人は多いだろうなあ。

この道をまっすぐ行ったあたりかな、キョロキョロ。通りがかりの男性に場所を聞くと、「見上げてごらん、わかるよ」とのこと・・・。

おお!首を水平に振っていたので見つからなかったのです。首を上に向ければ、ニョキ、ありました。スカイツリーはどこからも見える状態で、突っ立っていました。

近くまで行く時間はないので戻ろうとすると、横断歩道が青になったにもかかわらず、外国人旅行者のカップルが夢中で撮影です。もちろんスカイツリーを。

ザワザワと小学生集団もやってきました。ボランティアガイドさんが、向こうにそびえるスカイツリーについて解説です。まるで自分が建てているかのように自慢げです。子どもたちも、浅草寺よりスカイツリーの方が魅力なのでしょう。

浅草名物の人力車のお兄ちゃんが、呼び止めてくれます。「奥さん、スカイツリーまで行きますよ。行くだけならこの値段、往復なら・・」と説明するパンフレットには、まだスカイツリーが載ってはいないのですが。

お店の宣伝看板には早くも「スカイツリーを眺めながら」とか「スカイツリーを目の前に」などといったことばが並んでいます。東武鉄道のエスカレーター横も、スカイツリーのポスターがビッシリです。

電車に乗ると、おばさんグループがザワザワ。「どっちだろうね」とカメラ片手に、車窓からスカイツリー撮影に挑もうとしています。

が、しかし、電車が走るにつれ、スカイツリーは見えなくなり、つまり線路が真下を通るためのっぽな全身は見えず、足元の工事現場状態をカメラに収めることになります。

でも、おばさんたちは「わ~、すごいすごい」と、窓に貼りついてシャッターを押し「いいよね、ま、いいわよね。こういうスカイツリーは今しか撮れないんだからね」「うん、いいお土産で来た」とはしゃいでいました。

こんなことで右往左往する、人間ってかわいいなあ、と思いながら、同じくおばさんの私が撮った写真です。