どんだへ

美味しい話題

島原半島でつくられる「イモ餅」。お餅にサツマイモをたっぷり加えて作ります。イモの甘さと風味が加わり、さらに固くならないという利点も。ベタっとしているので「ベタ餅」「べったら餅」ともいうそうですが、「どんだへ」という名もあるとか。「イモ」や「ベタ」は即物的ですが、「どんだへ」はなんだか雰囲気が伝わります。出来立ての熱々をパクリ、美味しかった~。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

おなじみの雲仙市千々石「集い処えんがわ」さんのお庭です。土曜の朝うかがうと、もはや作業は始まっていました。私は「どんだへ」が気にいっているのですが、公用語(笑)は「芋餅」のようです。なので、ここではこの後「芋餅」で書きましょう。

近くの中学生があんこ玉を作るお手伝い。この子たちは、「芋餅」づくりをすっかり身に着けられるでしょう。

あんこ玉ができるころ、ブンブンと回っていた餅つき機のなかでは多量の白いお餅ができつつありました。

お餅ができたらそこへ、サツマイモの登場です。このまま食べたいくらい、熱々で美味しそう。皮をきれいにむいて、一晩水いさらすと、色のくすまない芋餅になるのだそうです。

お餅にお芋をどんどん入れていきます。餅つき機は回ったままです。

すべてお芋が入ると、回らない~~~!どうなるの???

餅つき機のおかまのへりに沿って、へらを入れて混ぜていくうちに、やがてクリーム色の巨大な軟体動物のようなものができてきました。

相当な力でへらは引っ張られます。芋餅パワーですね。芋と餅の量は半々くらい。お芋が多いほど、柔らかくとろとろになるそうです。さあ、出来ました。

熱いうちに、とろとろを手ですくって、甘い黄粉の中にほおり込みます。手を水につけて冷ましながら、これは熟練している地元の女性たちにお任せ。形のないものですから、すくうのもほおるのも大変。

 

そのドロドロの上に、あんこ玉を置いて、黄粉ごと下からすくって半分折にする感じにします。即、パックに入れないと、ベタベタ、ドロリ。

でも、だからトロトロで美味しい。自分で簡単に作るには、お芋を皮をむき水にさらし、適当に切って、その上に水餅にしたお供え餅を割って置き、少ない水で煮る。柔らかくなったら、すりこ木でつぶす、という手順だそうです。お供えでなくても、普通のお餅をサッと水をくぐらせて。

うん、それならできそう!とは話すのですが、やはりこうしてみんなでワイワイいいながら食べるのが「どんだへ」美味しいか!

完成品をお土産に買ってきたのですが、東京に着いたらパックのなかで三つの芋餅は一体化していました。キャリーバックの中に納まったものの、飛行機で運ばれ、モノレールに乗り、地下鉄に乗り、で。芋餅はクタクタだったのでしょう。クタクタの様子がまた「どんだへ」という雰囲気でした。