zoom交流

ちょっとしたこと

ようやくzoomというものを少し覚えました。結構おもしろい場面があります。先日の「さろん」で、地方の旧家から参加の方の後ろにみえた古いガラス引き戸に参加者から絶賛の声が上がりました。パソコンの前に産物の果物を積み上
げて参加の方、クリスマスにはツリーをお正月には凧を飾る方、地酒を横に置く方、そんな主張も。zoomでもホットでスローな交流は可能なんだと思います。

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企業でのリモートワークではこうはいかないかもしれません。私の場合は、個人事業主であり、かつ全くボランティアでやっているNPOの勉強会「さんか・さろん」ですから、zoomのありかたも自由度が増しているとは思います。

そして、普通のリアルな会議で70人くらいが参加でしたら、個人のお顔は見にくいし、発言者ばかりに目が行くでしょう。それがこうしてパソコン上にずらりとお顔があると、それぞれに目が行って、普段は気づかないことまでその人のことを把握できることもあるわけです。

いつも遠目に見ている雲の上のような方が、皆とおなじ大きさで並ぶのもなかなかいいい感じ。そして、とてもスタイリッシュな方が、自分の画面を見ながら髪型を気にしている様子などはほほえましい。自分はと言えば、アップになるとやはりこんなに鼻が大きいのか!などと、今さら先日、実家の母にこぼしたり、となります。

皆さん背景には苦労しておいでですね。ま、苦労というより工夫やお楽しみの要素も多い。静岡から参加の方は茶畑の写真をバックに、淡路島の方は地元の風景を、外国に旅した時の写真を使っておいでの方もいます。

「zoomだと家の中が見えちゃうからいやだと、うちの奥さんが文句を言うんですよ」「お仏壇が見えちゃう、本棚だったらいいのに」なんて悩む方もありますが、そのプライベート空間が垣間見られることが私にとっては面白い。

とはいえ、自宅でzoomの時は、私もあまりに散らかっている家が恥ずかしいので写真やカーテンをバックにしたりしますが(笑)。

果物産地の和歌山県紀の川市の方は、自分が話すパソコンの前に旬のカキを飾り、それとなく果物のまちをアピールされていました。

奈良県十津川村の方がスピーチされたときは、後ろに集落で作った「純米酒 谷瀬」というお酒が飾られて。ちょうど話題もこのお酒について触れられて、ピッタリ。お話を聞きながら参加者は展示のお酒をずっと見ていて、最後は飲みたくなるわけです。

お部屋に当たり前にかけていたTシャツに目が行って「それはどこのどういうシャツ?」という質問があったり、「あら、その後ろのラタンの衝立いいわねえ」「いま、後ろで夕飯食べていたんです」なんて会話も生まれます。

自分の会社のロゴ入りバックをわざわざ飾る人もありました。ペットのワンちゃんを抱えながら参加の方も。

十津川村で集落の人とのミーティングには、参加できなかった奈良女子大の先生が、学生さんのデザインしたペーパーバックにつけるタッグを画面越しに説明。集落の皆さんが、身を乗り出して「おお、可愛いね~」なんて話します。

熊本に引っ越したお仲間とは、生まれた赤ちゃんの顔を見せてもらったり。これは、全国でオンライン帰省としてされていたやり方でしょう。

数人でご参加のグループは、季節の花や手作り料理を見せてくれながらの意見交換。数人で味わうお料理が、各地の人に紹介できるわけです。

意見を特に言わないで、聞いているだけの方も、例えば手作りのクリスマスツリーを飾り何か発信している、お正月には凧を飾り季節感を出してみる。理屈を話したり議論に参加しなくても、それはその方の言葉です。そういうことが私はうれしい。

冒頭の昔のお家ならではのガラス戸が話題になったことなど、まさにそうです。住んでいる、参加されているご本人はそのガラス戸が何かを語る、などとは思ってもみなかった。でもそれを見た都会人は、そのガラス戸のある家に、その海辺の土地に行ってみたくなる。そんなこともあるのです。

効率的なzoom利用もありますが、私の場合はドタバタしながら、人や土地の個性がムンムンするような、zoomミーティングをこれからもしていきたいと思うのでした。