修験ツーリズム

お仕事で

福岡県添田町、「英彦山」(ひこさん)修験の山に行った話の続きです。歩きやすい靴でと注意があったので登山を覚悟でしたが、登りはスロープカーでホッとしました。でも、下りくらいは徒歩でと、けっこう急な石段を手すりと杖を頼りに下りました。転げ落ちないようにするのが私にとっての一番の修行。これが修験ツーリズムの入り口か?筋肉痛をお土産に持ち帰りました。

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この日は歩く日。先週のブログでご紹介したエバレット・ブラウンさん。(修験ツーリズムを考えている外国人写真家)なんと、足半(あしなか)をはいています。さ、さすがです。

視察団にあわせてくださったのでしょう、スロープカーで登り、石段を下りるという、超初心者コースです。それでも霧のなか、英彦山奉幣殿まで行くと、神々しい気持ちになります。駅名は「神駅」ですよ!

ガランガラン♪と鈴を鳴らし、神様に挨拶。そして横に湧く水をいただきます。

説明に「当英彦山神宮御龍神水は修験行者が入峰時に必ず水筒に入れ峰中の保健飲用とお守りとして用いたものである」とあります。ペットボトルにいただきました。

こういうコスチュームをつけて、ほら貝でも吹く体験をすればいいのでしょうが、それではあまりに軽いミーハー・ツーリズムになる?なかなか難しいところです。

修験ツーリズムと言っても、その組み立てはなかなか大変だろうなあ~なんて思いながらも、階段を下ります、下ります、下ります。手すりがあるからいいけれど、一段は大きいし、石でゴツゴツしているし、みんな先に行っちゃうし~~。

でも、シンプルに階段を下りることだけを繰り返していると、なんだか頭がすっきりしてきました。古い木製のテーブルにびっしり生えたコケ、こんなものに気が付きます。綺麗です。

宿坊跡がたくさんある、その落ち葉の上にキノコ。これまた綺麗。

この大きな灯籠も、シルエットが綺麗。眺めながら、さっきの龍神水をこくりと飲む。身体が澄んでいく感じ。すっきりします。

エバレットさんがお住いの、リニューアルした坊に寄りました。きりりと美しく整頓され、今後ここに修験ツーリズムを求める方々が立ち寄ることになるのでしょう。

つまり、こんなことなんですね。大変な修行まで行かなくても、肉体に多少の負荷をかけ、日常から離れる時間を作ると感性がみずみずしくなる。綺麗と感じたり、水の味がわかったり。苔の匂いや、湿気の感じがわかるようになる。なんだか修験ツーリズムの極く極く入口を味わった気がしました。このくらいの体験が、一合目だとすると、ツーリズムの最上級、山頂まで何段階ものプログラムが出来ていくのでしょうか。楽しみですね。

柚子胡椒のおむすびとコンニャクの煮物、そしていい水で作ったお豆腐。そんな食事を味わいたいな~。なんて思いながら下山して、私、山盛りの天ぷら定食など食べてしまったのでした。